「おめでとう」に、込めるもの。

「あけましておめでとう!」新年と同時に、メールが送られてくる。
朝には年賀状が届いて「あけましておめでとう!」
そして外に出かければ、会う人ごとに「あけましておめでとう!」
昨日と今日、特別何かが変わったわけでもないのに、
誰もが新しい年を迎えた喜びとすがすがしさにあふれているから不思議だ。

元日の朝、届いた年賀状を見ながら家族とそんなことを話していたら、
突然おばあちゃんが異議をとなえた。
「それは違うねぇ、昨日と今日で変わるものがあったのよ」
思わず、家族全員がおばあちゃんに注目する。
「昔は、年が明けると、みんなひとつ年をとったんだから」
数え年のことらしい。生まれた年を1歳として、新年を迎えるたびに
すべての人が同時にひとつずつ年をとる。日本では、1950年に国が
満年齢を推奨するまで、数え年が使われてきたという。
年が明けたら年齢も変わっているなんて、確かに昨日と今日では大違いかも。
「お正月は、誕生日をお祝いしていたようなものね」とおばあちゃん。
あ、そうか。1月1日は、すべての人の誕生日ということになるんだ。
ということは、お正月は盛大な合同誕生日パーティーってこと?
なんだか急に、カジュアルで楽しげな雰囲気。
みんなでお互いの誕生日をお祝いし合っていると考えると、「おめでとう」は
単なる新年の挨拶から、目の前の相手に向けた祝福の言葉になる。
みんなが、誰かを祝い、誰かに祝われているのだとしたら、
こんなに心通いあうことはないよね。

もちろん、「あけましておめでとう」は、誕生日を祝う言葉じゃない。
無事に新年を迎えた幸せを祝い、そのことを感謝するための言葉。
でも今年は、誕生日をお祝いするみたいに、
その人への祝福の言葉として心を込めて交わしてみようかな。
そうしたら、もっと気持ちが通い合うお正月になるかも。
いつもより、ちょっとあったかい年になる気がする。

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