ふらり、海中散歩のすすめ。

窓の向こうでは、真夏の太陽が容赦なく照りつけている。
こんな日は、やっぱり海かなぁ。
たっぷり朝寝坊をして遅い朝食を食べながら、
ふと思い立ってひとりで海に潜りにいくことにした。

岩陰から顔を出すクマノミ、一斉に方向転換をするイワシの群れ、
ゆったりと羽ばたくように泳ぐエイ。
魚たちが、目の前すれすれをのんびりと通り過ぎていく。
そんな様子を、飽きもせずにもうどのくらい眺め続けているだろう。
タンクも背負わず、フィンもつけず、シュノーケルや
レギュレーターもいらない。何時間でも、好きなだけ海の中を散歩する。
そう、ここは水族館だ。照明が抑えられた、ひんやりとした館内。
ガラス越しにゆらめく水の中を、さまざまな海の生物たちが行き交う。
水族館の何よりの魅力は、ひとつの水槽にひとつの生物ではなく、
海の一部分をまるごとそっくり目の前に再現してくれているところ。
まさに、海に潜っている気分になれるのだ。
もちろん、次々と別の世界が繰り広げられる単体の展示ゾーンだって、
海にズームする感覚で非日常の世界へと引き込まれる。
ふわりふわりと浮遊する、クラゲの神秘的な動き。砂の中から忙しそうに
顔を出したりひっこめたり、愛嬌たっぷりなチンアナゴの不思議さ。
心がどんどん、海の奥へ奥へと導かれていく。

ひとりで水族館に来るなんて、実は初めてだった。
思いつきだったけれど、大正解。
誰かと盛り上がりながら見るのも楽しいけれど、
ひとりでゆるゆる気ままに見るのがこんなに心地いいとは。
ただただぼんやりと海の世界に身を委ねている時間は、
なんだかとても贅沢だった。
たまらなく暑い日は、ふらりと手ぶらで潜りに行く。
水族館は最高のリゾートだね。海の中みたいに涼しいし。

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