月の力を信じて。

友人と食事をしたあとにもう一軒となったけれど、
夜が気持ちいい季節に店の中で過ごすのがもったいない気がして、
高層ビルの屋上で夜景を見ようということになった。
ものすごい高さに足がすくみそうだ。でも、風がとても心地いい。
そして、何より月がすごくきれいに見える。
夜景よりも、月にすっかり心を奪われてしまった。

空が近いせいなのか、普段より大きく、明るく輝いているように感じる。
秋になって、空気が澄んできたからかもしれない。
雲ひとつない夜空に、くっきりとした美しい月。
気持ちもゆるりと、ほぐれていく。満月じゃないことだけが、ちょっと残念。
友人は、「狼男に襲われなくて済むんじゃない」と笑いながら、
「月の満ち欠けって、実際に生物や植物に影響を与えるらしいよ」という。
人の体や植物などは、そのほとんどが水分でできているので、
潮が満ち引きするように月の引力の影響を受けるといわれているのだそうだ。
月が欠けていって見えなくなる新月のときは引力が強く、
満月のときには逆に弱くなる。植物の場合、それによって
新月では水分が下へ引っぱられて根に集中し、
満月になると上に引っぱられて葉や花、実などに水分が行き渡るという。
「だから、根菜は新月に、葉物や果物は満月に収穫するとおいしいんだって」
じゃあ、今の季節ならサツマイモは新月、柿やリンゴは満月に収穫したものが
いいってこと?「新月のあとならデザートはスイートポテト、
満月のあとならアップルパイがおすすめということよね」と友人。
月の神秘の話は、いつの間にかすっかり食欲の話になってしまっていた。

それにしても、月はその姿で心も癒してくれるし、月旅行の夢だって
かき立ててくれる。そのうえ、実りのおいしさまで高めてくれるなんて。
月のパワーを信じると、いつもの暮らしがちょっと豊かになる気がする。
そのおかげで、友人とまた食事に行くことも決まったしね。
次の満月のあと。もちろん、アップルパイの味を確かめるために。

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