いちばん近い、最強のパワースポット。

今年も、穏やかに年が明けた。実家で家族と過ごす、いつもと変わらない
お正月。おせちを食べて、お雑煮を食べて、朝から公然とお酒を飲んで。
ゆっくりというか、だらだらというか、ただひたすら食べて飲んで午前中を
過ごしたら、午後から揃って近所の神社に初詣に行く。
「去年のお札とお守りは、持ったかい?」毎年、初詣を仕切るのは
おばあちゃんだ。1年間お世話になったのだから、古いお札やお守りは神社に
納めてきちんと浄め、お焚き上げをしてもらわなければバチが当たるという。

神社に行くと、暖をとるための焚き火の周りに人が集まっていて、御神酒も
振舞われていた。いつもひっそりしている境内が、ちょっぴり賑わっている。
持って来たお札とお守りを納めて、まずはお参り。でも、その前に
おばあちゃんがお賽銭を配ってくれる。ひとりひとりに、きっちり45円ずつ。
「始終ご縁がありますように」といいながら手のひらにのせてくれるのだ。
お賽銭に10円だけなんてもってのほか。「神様と遠縁になってしまうじゃない」
といっておばあちゃんは絶対に許してくれない。
そうやってお賽銭が配られたら、家族全員が並んで参拝。
作法通りに、二礼二拍手一礼で今年1年の幸せをお願いする。
最後に父が新しいお札とお守りを授かると、我が家の初詣は終了だ。
あとは、お参りに来ていた近所の人と新年の挨拶をしたり、
おみくじを引いたり。そうそう、おみくじはどんな結果が出ても我が家はみんな
幸せになれる。大吉が出れば、今年は最高の年。吉なら、どっちにも転ばない
いちばん平穏な年。凶なら、それより下がないから上るだけのいい年。
おみくじをのぞき込んでは、おばあちゃんが必ずそう占ってくれるから。

メジャーなパワースポットの初詣も、お正月らしい華やかさがあっていい。
でも、毎年変わらないのんびりとしたこの初詣が、やっぱり落ち着く。
そう話すと、「パワースポットって、別に特別なところじゃないのよ」と母。
そこに行くと気分が良くなって、元気になれる場所のことだといい、
「うちの家族にとっては、この小さな神社とおばあちゃんが
どこよりも強力なパワースポットよね」と笑った。

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