暑中、想いが届く。

ムシムシと暑苦しい日が続いていたその日、郵便受けを開けると
手書きのハガキが入っていた。友人達とのやりとりはたいていSNSだし、
年賀状かクリスマスカードでもないかぎり郵便なんてまず送られてこない。
こんな時期にハガキが届くなんて、それだけでちょっとワクワクする。

夏らしいスイカの切手が貼られたハガキを裏返すと、
ぐるぐると力いっぱい描いた黄色の渦巻き。太陽かな?ひまわり?
その下には、目も鼻もまんまるな、女の子らしき絵が描かれている。
そして、見覚えのある文字で「暑中お見舞い申し上げます。」
姉の筆跡だ。差出人は、3歳の姪っ子だった。
「ピカチュウとあなただそうです」と姉のコメントが入っている。
この黄色、そうだったのかぁ。予想外の答えに大爆笑。
それにしても、可愛すぎる。きっと、一生懸命描いてくれたんだよね。
なんだか、すごく素敵なギフトを受け取った気分だ。
暑中見舞いをもらうなんて、子どもの頃以来。思った以上にうれしい。
姪からということもあるけれど、そればかりでなく何でもスマホで済む時代に
わざわざハガキを用意して、切手を選んで、ポストまで歩いて行って、
手間と時間をかけてようやく届くんだものね。想いがぐんとふくらむ感じ。

さっそく返事を書くことにした。このうれしさを、どう伝えよう。
ありがとうの気持ちを込めて、姪が大好きなものを絵にして詰め込もうか。
ネットであれこれ調べていたら、消しゴムはんこの作り方動画を見つけた。
簡単に作れるらしい。まずは下絵。彼女は、何が好きだったかな。
そうそう、去年一緒に縁日に行ったとき、金魚すくいに夢中になってたっけ。
実家で遊んだときには、初めて食べたパイナップルに大喜びだった。
あ、リボンのカチューシャも気に入ってたなぁ。あれこれ思い出しながら、
はんこを作る。金魚、パイナップル、リボン。ペタペタと押すだけで、案外
いい感じ。それにしても、こんなに姪のことばかり考えたことはなかったかも。
暑中見舞いを出すことは、相手のことを精一杯思うことなんだね。
そう思ったら、暑中見舞いをくれた姪のことがますます愛おしくなった。

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