父の存在感。

父の日って、なぜか忘れがち。
存在感が薄い?そういうわけでもないんだけど。
母の日の翌月というのが良くないかも。
母の日でエネルギーを使い果たして、気を抜いているときだもの。
せめて秋頃にしてくれたらいいのに。
去年なんてすっかり忘れていて、当日になって母からのメールで気づいた。
あわてて実家に駆けつけ、いかにも予定していたような顔をして
近所にある父の行きつけのお寿司屋さんに誘ったのだ。

学生の頃は、2人きりで話すなんてほとんどなかった。
共通の話題もないし、
すぐに会話が途切れて気まずい空気になるのがわかっていたから。
仕事をするようになって、ようやく話ができるようになった。
その日も「仕事はどうだ?」なんて聞かれて、
新入社員が入ってきたけど人に何かを教えるのは難しいと愚痴をこぼした。
「何もかも教えようと思うな」と父。
自分で知る楽しみを残しておく方が、本人もやる気が出るはずだという。
最短距離でたどり着いてしまうと、ゆっくり周りを見ることがない。
さんざん迷った方が得る物は大きいし、記憶に残る。
「だいたい、面白いことは寄り道にあるもんだ」
悔しいけど、妙に納得させられてしまった。
家でのんきに笑っているイメージしかなかったけど、
仕事では結構厳しくやってきたのかな。意外に頼られる存在だったりして。
ちょっと見直したかも。

用意し忘れた父の日のプレゼントのつもりで一緒に飲んだのだけど、
思いがけず父とじっくり話すいい機会になった。
社会に生きるひとりの大人として、父と向き合ったのは初めてだった。
結局、大事なものをもらったのは、私の方だったかもしれないな。
ありがと、お父さん。

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